令和5年度施政方針

 

ページ番号1017448  更新日 令和5年7月3日 印刷 

令和5年第1回福生市議会定例会における市長の令和5年度施政方針です。

※以下は、令和5年2月28日時点での内容です。

はじめに

令和5年第1回市議会定例会に当たり、貴重なお時間をいただき、私の施政方針を申し述べさせていただきますことに心より感謝を申し上げます。

はじめに、今月6日に発生いたしました、トルコ南東部を震源とする大規模な地震により、トルコ及びシリア両国において甚大な被害が出ていることに関し、お亡くなりになられた方々及びその御家族に心より哀悼の意を表するとともに、負傷された方々に対しお見舞いを申し上げます。

折しも、関東大震災から今年で100年の節目を迎え、今後30年以内に70%の確率で発生するとされる首都直下地震も想定される状況にございます。本市では、防災食育センターの整備等、今までも防災対策に力を注いでまいりましたが、市民の皆様のかけがえのない生命を守り抜くため、引き続き防災対策を着実に推進してまいります。

それでは、改めまして、施政方針を申し述べさせていただきます。

私が市長に就任してから、今年の5月で15年が経過いたします。

私は、1期目の所信表明の際に、「まちづくりの方向を自己選択、自己決定をし、そして自己責任を負えるという、自立した市民が暮らすまちづくり」を進めていくことを申し上げ、この思いを信条として、これまで、一意専心取り組んでまいりました。

これは、ひとえに、市民の皆様や議員各位、また、本市のまちづくりに関わっていただいた全ての方々から頂戴いたしました、多大なる御理解、御協力の賜物でございまして、心より感謝申し上げる次第であります。

引き続き、この信条のもと、市総合計画(第5期)に掲げる、「人を育み 夢を育む 未来につながるまち ふっさ」の実現に向けて、全身全霊で挑み、4期目の任期を全うしてまいりますので、皆様方からの御支援の程よろしくお願い申し上げます。

市を取り巻く社会状況等

それでは、施政方針を述べさせていただきますが、初めに本市を取り巻く社会の状況等について申し上げます。

まずは、ショッキングな出来事といたしまして、昨年の2月24日に発生したロシアによるウクライナ侵攻がございます。この戦争は、いまなお膠着状態が続き、1年が経過いたしました。

このことにより、全世界において大変大きな衝撃と憤りを生み、世界の平和に対する危惧を感じざるを得ない事態となり、大変多くの尊い命が戦闘により失われております。一連の戦闘で犠牲になられた方々に対し、心より哀悼の意を表します。

本市では、多くのウクライナ市民が、国外への避難を余儀なくされている状況に鑑み、昨年の4月から、本市はもとより近隣の自治体でも一早く、ウクライナ避難民に対する支援を行っておりますが、一刻も早くこの戦争が終息し、平和な日々が戻ってきてほしいと心より願っております。

また、この戦争で世界経済は大きく影響を受け、急激な円安とも相俟って、物価の高騰は、我々の生活に襲いかかっております。

総務省が2月24日に発表した、1月の消費者物価指数は、天候による変動が大きい生鮮食品を除いた指数が、対前年同月比で4.2パーセント上昇いたしました。これは、第2次オイルショックの影響で物価高が続いていた、昭和56年9月以来、実に41年4か月ぶりの上昇率となります。

このような状況下において、本市では、市民や事業者の皆様が置かれている厳しい状況を踏まえ、迅速に補正予算を編成して様々な物価高騰対策を講じてまいりました。

特に、65歳以上の高齢者全員を対象としたシニアお買物券配布事業は、プレミアム付き商品券事業と同時期に実施をいたしたため、経済効果も高く、大変御好評をいただきました。今後も必要に応じて適切な対策を講じてまいりたいと考えております。

次に、新型コロナウイルス感染症との闘いも4年目に突入いたしました。昨年来のオミクロン株第8波では、統計上の罹患者数は第7波の時より少ないものの、死者数が増加しており、予断を許さない状況が続いておりましたが、ようやく収束の兆しが見えてまいりました。

このような中、新型コロナウイルスワクチン接種事業については、迅速かつ集中的に市を挙げて取り組み、昨年12月時点での60歳以上の方のオミクロン株対応ワクチンについては、実に国の2倍を上回るスピードでの接種を達成いたしました。

なお、国は、新型コロナウイルスの感染症法上の分類について、現行の2類以上に相当する扱いから、今年の5月8日以降、季節性インフルエンザ等と同じ5類とする方針を示しております。ワクチン接種の対応も含め、引き続き国の動向を踏まえ、基礎的自治体としての体制を整えてまいりたいと考えております。

次に、岸田内閣は、児童手当など経済的支援の強化等、いわゆる「次元の異なる少子化対策」を打ち出しております。これは、令和4年の年間出生数が、国の統計史上初めて80万人を割り込むことが確実な状況を受けてのもので、人口減少がこれからますます深刻化していき、そのことが社会にもたらす影響、危機感からくるものであると捉えております。

このような中、今年4月には、「こども家庭庁」も開設され、「こどもまんなか社会」の実現を目指し、本腰をいれて、子ども政策を進めていくことになります。

また、東京都においても、18歳までの子どもがいる家庭に対し、一律で月額5千円の給付を行うことや、0歳児から2歳児の保育料について、今年の10月から無償化する等の施策を打ち出しております。

更に今後、多摩地域の児童相談所の再編を行い、西多摩エリア8市町村内に、新たに児童相談所を設置するとのことでございます。

本市では、定住化施策といたしまして、既に子育て支援に注力しており、日本経済新聞社と日経BP「日経クロスウーマン」が実施する、「共働き子育てしやすい街ランキング」において、昨年度まで多摩26市の中で7年連続1位という確固たる実績がございます。

更に、昨年の8月27日には、日本経済新聞に、「福生 子育て支援策奏功」との記事が掲載され、大変高い評価をいただいております。

なお、国や東京都の施策等に対しては、十分に調整を重ねた上で対応してまいります。また、西多摩エリア内に児童相談所が開設される際には、本市の子ども家庭支援センターとの連携も含め、よりきめ細やかな相談支援体制が構築されるよう努めてまいります。

いまや、子育て施策の充実は、本市の「まちの魅力の売り」でございますため、今後とも国や東京都の動きにも十分注意を払い、手綱を緩めることなく力強く推進してまいります。

さて、この1年を振り返りますと、コロナ禍において、徐々にではございますが、日常の風景が戻ってまいりました。

本市においても、「ふっさ環境フェスティバル」、「平和のつどい」、「ふっさ健康まつり」、「福生市民文化祭」、そして「成人式」などの来場型イベントも感染拡大防止対策を講じながら実施し、多くの方々に御参加いただきました。段々と通常の生活が戻りつつあることを実感する次第であります。

残念ながら、「福生七夕まつり」については、3年連続で中止とはなりましたが、昨年の7月から8月にかけて、伝統ある七夕まつりの灯を消さない取組といたしまして、福生駅を中心に、七夕飾りやオリジナルフラッグ、また、都立福生高等学校美術部の生徒の皆様が制作された、七夕まつりをイメージした壁画を掲出いたしました。令和5年度は、今まで通りとはいかないかもしれませんが、七夕まつりを復活し、福生のまちの賑わいを取り戻したいと考えております。

また、昨年11月には、大変嬉しいニュースがございました。福生第五小学校が、環境省等が主催する「第56回全国野生生物保護活動発表大会」において、環境大臣賞を受賞するという快挙を成し遂げました。未来を担う「ふっさっ子」の成長する姿は、大変大きな喜びでもあります。

奇しくも、今年の干支は、「癸卯」でございます。「癸」は「物事の始まりと終わり」を象徴し、「卯」は「飛躍・向上」を意味するものとされております。

令和5年度は文字通り、コロナ禍が終息して、市民の皆様の生活が未来に向けて飛躍・向上する年となるよう強く願うところでございます。

令和5年度重要施策

それでは、令和5年度に向けて、本市において進めていかなければならない重要施策のうち、主なものを申し上げたいと存じます。

最初にハード分野でございます。

福生駅周辺整備は、中心市街地の再生の意味において、極めて重要な取組でございます。

まずは、福生駅西口地区市街地再開発事業でございますが、昨年の施政方針の際に申し上げましたとおり、定住化対策や公共施設等の再編への先駆けとなる大変重要な事業でございます。

しかしながら、昨今の世界的な原材料の品薄や物価高騰の影響により、国内の建設業においても納期遅れや建設資材の価格高騰が発生しており、施設整備への影響が懸念される状況が発生いたしました。

そのため、資材高騰の状況を見定めつつ、施設建物の規模、機能や使い方及び設計を見直すに当たって、準備組合との間で一定の検討期間が必要であるとの共通認識に至り、スケジュールの見直しを行うことにいたしました。

本再開発事業の重要性に変更はございませんので、引き続き準備組合への支援を行ってまいります。

一方、福生駅の東口地区では、都市計画道路3・4・7号富士見通り線整備事業がございますが、一部の用地取得等に時間を要しておりますことから、事業認可期間を延伸いたしまして、令和10年度中の供用開始を目指して取り組んでまいります。

そして、「公共施設の老朽化」も顕在化してきており、行政課題として取り組んでいかなければなりません。そのため、「公共施設等総合管理計画」、それに基づく「個別施設計画」、「施設保全・改修計画」に沿って、計画的に対応してまいります。

学校施設では、小中学校の防音機能復旧(復機)事業を計画的に進めており、老朽化した空調設備の更新を行い、学校教育環境の整備を図っております。令和5年度は、福生第一小学校では新校舎、第二中学校では講堂、第三中学校では校舎の工事が完成する予定でございます。

また、中央図書館においても、老朽化した空調設備の更新やバリアフリー化への対応等、長寿命化を図るため、昨年8月から工事に着手しております。令和5年12月には全ての工事等が完了し、令和6年1月にリニューアルオープンする予定でございます。新たに生まれ変わった中央図書館が、市民の皆様に愛される魅力的で利便性の高い施設となるよう、引き続き取り組んでまいります。

これら施設整備につきましては、今後、老朽化が進む中においても、市民の皆様が安全に安心して御利用いただけるよう、計画的に、防衛補助等を活用しながら進めるとともに、「公共施設等総合管理計画」に基づき、施設の再編・統廃合等も視野に入れて、合理的、効率的な施設管理に努めていかなければならないと考えております。

次に、ソフト分野でございます。

まずは、子育て支援策でございます。先程も少し述べましたが、今後の国や東京都の動きにもございますように、子ども政策が大きくクローズアップされてまいります。

特に、今年4月から施行される、「こども基本法」では、国や自治体に対し、子ども施策の策定、実施、評価に当たって、子ども等の意見を反映させるために必要な措置を講ずることが義務付けられております。

そのため、子どもの視点で子どもを取り巻くあらゆる環境を視野に入れることで、誰一人取り残さず、健やかな子どもの成長を社会全体で後押ししていく必要がございます。

本市においても、今年4月から、子ども家庭部に、新たに、子ども政策の司令塔となる「子ども政策課」を設置し、子育て施策を総合的に推進するための「こども計画」の策定に向けて動き出し、更なる施策の展開を目指してまいります。

そして、子どもの成長、発達を支える意味において、児童発達支援センターの存在は非常に重要でありますことから、現在、設置に向けて準備を進めているところでございます。発達に不安を抱えるお子さんや保護者の方に対し適切な支援を行えるよう、令和5年度中には、具体的な事業の内容を議会にお示ししたいと考えておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

そのほか、令和5年度からは、高校生等医療費助成事業がスタートいたします。本市では、独自施策として、助成を行うに当たり所得制限を設けず実施してまいります。

また、全ての妊婦・子育て家庭が安心して出産・子育てができるように、妊娠届出時より妊婦や子育て家庭に寄り添い、面談や継続的な情報発信を通じて必要な支援につなぐ伴走型相談支援及び、出産・育児に関する経済的負担の軽減を図るための支援を一体的に実施してまいります。

更に、産後ケア事業につきましても、産後ケアを必要とする全ての産婦に対して利用者負担の減免支援を導入し、より利用しやすい環境を整備いたします。

その他、様々な状況に置かれた子どもたちに、食育や貴重な団らん、地域交流などを行うことができる居場所を提供する「こども食堂」に対する支援を実施するほか、現在も大変好評をいただいております、子育て支援カード、通称「まるとくカード」の電子化や専用サイトの構築等を実施し、利便性の向上を図ってまいります。

今後も、「子育てするなら ふっさ」に新たなスローガンである、「こどもまんなか ふっさ」を加え、全庁一丸となって子育て支援に資する様々な施策を展開してまいります。

そして、近年、少子化と相俟って高齢化の深度は進んでおり、超高齢社会が現実となり、8050問題、育児と介護のダブルケア、引きこもり、ヤングケアラー、更には、個人や世帯全体が孤立している状態など、福祉に関する課題は、複雑化、複合化しており、従来の支援体制では必要なケアや支援が行き届かないといった懸念がございます。

令和5年度からは、これらに対し、包括的な支援体制となる、「重層的支援体制」の整備に向けた移行準備事業を開始し、既存の相談支援等の取組を活かしつつ、地域住民の複雑化・複合化した支援ニーズに対応してまいりたいと考えております。

また、社会のデジタル化も急速に進んでおります。本市においても、デジタル・トランスフォーメーションを推進しておりますが、高齢者のスマートフォンの保有率は、いまだ70%程度に留まっており、高齢者へのデジタル技術の普及が課題となっております。

そこで、スマートフォンを持たない高齢者に対し、スマートフォンの貸出しや、スマートフォン教室の開催等を行うことで、誰一人取り残すことのないよう、高齢者を対象とした市独自のデジタルデバイド対策も講じてまいりたいと考えております。

福祉バスについても、更なる利便性の向上に努めてまいります。現在、準備を進めているところでございますが、福祉バスの運行体制について、現行の2コースから3コースに増やすとともに、令和6年1月にリニューアルオープンする中央図書館への乗り入れ等を実施したいと考えております。令和5年度中には、具体的な内容を議会にお示しさせていただきたいと存じます。

その他にも、市が取り組むべき事業は、多々ございますが、そちらにつきましては、後ほど、予算編成以降のところで申し上げさせていただきます。

横田基地について

最後に横田基地について申し上げます。

行政面積の約3分の1を横田基地に提供している福生市にとって、その存在は、航空機の騒音公害をはじめ都市計画への影響や地域経済の発展阻害要因となるなど、市民生活に大きな影響を与えております。国の防衛や安全保障に関することは、国の専管事項でございますが、であるからこそ、基地の存在に起因する様々な問題は、基地周辺住民だけが犠牲になるのではなく、広く国民全体の問題として捉え、国が責任を持ってその対策に万全を期すべきであると考えております。

昨年8月から9月にかけて、現在6機配備されているCV-22オスプレイについて、クラッチを原因とする特有の現象が発生したことを契機として地上待機措置がとられました。

東京都、基地周辺5市1町とも連携して要請も行いましたが、私は、昨年9月に防衛省本省を訪れ、浜田防衛大臣に直接お会いして、基地を抱える自治体の現状や市民の安心のためには迅速かつ丁寧な情報提供が必要であることを訴え、横田基地に関して意見交換をさせていただきました。

昨今の世界情勢や日本を取り巻く安全保障環境は大きく変化しており、基地への注目度は増しておりますが、基地を抱える自治体として、引き続き、東京都や基地周辺5市1町でも十分に連携し、基地対策に取り組んでまいります。

令和5年度予算編成

次に、令和5年度の予算編成に対する考え方と、予算規模について申し上げます。

令和5年度予算は、市税収入が新型コロナウイルス感染症の影響前となる令和2年度当初予算並みとなり、回復の兆しが見えつつあるものの、今後の感染症の推移やウクライナ情勢等による物価高騰など、先行きが不透明な状況にあり、今後の財政に与える影響も懸念されるところでございます。

そのため、公会計から得られる行政コスト情報などをもとに、各課において徹底した分析・検証を行い、継続事業の見直しや新規・改善事業の精査、また、市民の利便性の向上や事務の効率化の検討など、限られた財源を有効に使うことを念頭に編成いたしました。

一般会計の予算規模は、272億8千万円で、前年度比11億円、4.2パーセントの大幅な増となり、2年連続で過去最大の予算となっております。

福生駅西口地区市街地再開発に伴う公共公益施設整備や、施設保全・改修計画に基づく公共施設の適正管理など、今後も様々な事業が予定されていることを踏まえますと、市民サービスの向上を図るためには、新たな歳入の確保や更なる経常経費の削減、デジタル・トランスフォーメーションによる事務の効率化などが必要不可欠と考えておりますので、健全な財政運営に向けて、着実に取り組んでいく所存でございます。

なお、予算の内容等につきましては、実施計画・予算説明書に記載をしておりますので、御参照いただきたいと存じます。

令和5年度の主な施策について

次に、令和5年度の主な施策について申し上げます。

令和2年度からスタートした「福生市総合計画(第5期)」は4年目の計画期間に入ります。ただいま申し上げた予算編成の考え方に基づき、令和5年度もこれまで通り、着実に各施策を推進してまいります。

それでは、令和5年度の重要施策について、主なものを予算説明書の順に従い、各部ごとに述べさせていただきます。

企画財政部

まず、企画財政部でございます。

令和2年度から令和11年度までを計画期間とする福生市総合計画(第5期)は、令和6年度で前期計画期間が終了いたします。このため、令和5年度から2か年をかけて後期計画の改定作業を行ってまいります。

改定に当たっては、若手職員で構成する「持続可能なまちづくりタスクフォース」が作成する報告書等も参考資料として活用し、時代の変化に合わせた計画にしてまいります。

そして、デジタル・トランスフォーメーションの取組といたしまして、誰ひとり取り残すことなく市政情報を届けることができるよう、外国人向けの情報発信の1つとして試行実施している、広報ふっさの多言語翻訳を本格実施いたします。

また、職員等が長時間かけて行っております会議録等の作成業務について、AIが音声を認識し、自動的にテキスト化するシステムを導入することで、業務負担の軽減と業務の効率化を図ります。

総務部

次に、総務部でございます。

本市の防災対策の根幹となる福生市地域防災計画につきまして、近年の防災対策の動向をはじめ、各種災害による教訓や被害想定、東京都の防災計画の修正を踏まえ、現状に即した実効性のある計画内容となるよう修正してまいります。

市民部

次に、市民部でございます。

総合窓口課における窓口業務につきましては、現在、住民票や各種証明書の発行、マイナンバーカードの受付等を、市の職員及び会計年度任用職員で実施しておりますが、今後一層の市民サービスの向上、安定した業務体制の確保等を図るため、この窓口業務の一部について、令和5年度中に民間事業者への委託化を進めてまいります。

また、高齢者の保健事業と介護予防について、福祉保健部との連携のもと、一体的なアプローチを実施することで、健康状態が不明な高齢者の状態把握や必要なサービスへの接続等を行います。

具体的には、小地域福祉活動等の通いの場において、保健師等による各種健康測定やアドバイスを実施するとともに、フレイル予防の普及啓発活動等を行い、高齢者の健康の保持、増進を図り、健康寿命の延伸を目指してまいります。

生活環境部

次に、生活環境部でございます。

まちの魅力を高め、交流人口の増加と地域の活性化を図るため、引き続き近隣自治体等との連携を密にするとともに、観光振興に資する取組として観光ガイドマップを刷新して情報発信の強化を図るなど、市の魅力を市内外にアピールしてまいります。

また、商工業振興事業につきましては、商工会等との連携はもとより、近隣自治体と立ち上げた協議会において、事業承継や創業の掘り起こし、機運の醸成を図り、空き店舗の解消につなげるなど、地域商業の活性化を図ってまいります。

環境施策では、立川市をはじめとする9市で構成する広域連携サミットにおいて、私が提唱して本市と立川市で協議会を立ち上げて開始いたしましたサイクルシェアリング事業について、より広域的な相互利用が図れるよう、積極的に関連自治体への連携を呼びかけてまいりたいと考えております。

また、「福生市環境基本計画」と、「福生市緑の基本計画」を改定し、自然環境の保全等、環境政策に資する取組も着実に実施してまいります。

その他には、多文化共生と防災のまちづくりを推進するため、外国人に対する防災研修・救急訓練等を実施いたします。こちらにつきましては、訓練内容が外国人にも伝わるよう、「やさしい日本語」を使用した防災体験を実施している池袋防災館での体験訓練を予定しております。

また、令和5年度からは、「東京都パートナーシップ宣誓制度」を活用した制度を導入し、多様な性に関する市民の理解促進を図るとともに、パートナーシップ関係に係る生活上の不便を軽減するなど、当事者が暮らしやすい環境整備に取り組んでまいります。

福祉保健部

次に、福祉保健部でございます。

福生市社会福祉協議会に運営を委託しております、成年後見センター福生において、新たに法人後見事業を開始し、判断能力が不十分な認知症高齢者や障害者等に対して、法人後見による受け皿を確保することにより、成年後見制度の利用促進を図ってまいります。

子ども家庭部

次に、子ども家庭部でございます。

保育所等においては、近年、発達に課題を抱える児童等が増加する傾向にございますことから、対応する保育士不足の現状を鑑み、保育所等への給付内容を見直し、新たな加算を行うなど、障害児保育の体制強化を図ります。

更に、園外活動時の見守り等といった保育に係る周辺業務を行う保育支援者の配置についても支援を行ってまいります。

また、医療的ケア児の受け入れ体制の整備として、体制整備を図る保育所等に対して補助金を交付することで、保育所等を支援するとともに、医療的ケア児やその家族の日常生活及び社会生活を支援してまいります。

さらに、事務量が多く複雑な保育所等への入所選考事務について、AIを活用したシステムを導入して、選考時間を短縮するなど、業務の効率化を図ってまいります。

都市建設部

次に、都市建設部でございます。

まず、都市環境の整備については、東福生駅周辺地区の整備として、東福生駅自由通路のバリアフリー化、及び福生第2号踏切の歩道拡幅事業を進めてまいります。

また、市民の安全確保等、災害に強いまちづくりの推進を図るため、市内の避難路に面した倒壊の恐れのあるブロック塀等の撤去または建替えに要する費用の一部を助成いたします。

教育部

最後に教育部でございます。

市民の利便性向上を図る電子図書館システムをはじめ、幼保小中連携事業、中央図書館改良工事に伴う郷土資料室の展示のリニューアルなど、改善事業が多数ございますが、詳細につきましては、このあと、教育長から申し上げますので、よろしくお願いいたします。

以上が令和5年度の重要施策でございます。

結びに

先月、プロ車いすテニス選手として御活躍された国枝慎吾さんが、現役引退を表明されました。

国枝氏は、長年にわたり、世界の車いすテニス界をリードしてきた第一人者で、ウィンブルドン等世界四大大会の全てを制覇するとともに、東京2020パラリンピック競技大会においても、金メダルを獲得するなど、数々の偉業を成し遂げられました。

東京パラリンピック大会の際の、国枝氏の発言の中で非常に印象に残っているものがありますので、少し長くなりますが御紹介いたします。

「僕は、パラリンピックはスポーツとしての魅力にこだわりたい。そうすることで、人々の考え方を変え、『障害のある人たちでもここまでできるんだ』とか『うわ、すごいな』などと思うようになる。それこそ、共生社会とか多様性とか、そんな言葉がいらなくなることが一番の理想。世界が、もっとシンプルに、競技を楽しめるようなパラリンピックになってほしい。」と語っておられました。

スポーツの分野だけでなく、社会全体において、全ての人々がありのままに、お互いを理解・尊重できるようになれば、いわれのない差別や分断社会といったことが解消されるのではないでしょうか。

私も、多様な主体が自然体で活躍できる社会の実現に向けて、全力で取り組んでまいる所存です。

結びとなりますが、今年は統一地方選挙の年に当たります。議員各位のこの4年間の市政への御尽力に対し、改めて心より敬意を表しますとともに、深く感謝を申し上げる次第でございます。

特に、今期を限りに御勇退される議員の方々に対しましては、長年市政に賜りました御功績に対し、衷心より感謝を申し上げます。

最後に、御出馬される皆様の御健闘を心よりお祈り申し上げまして、令和5年度の施政方針とさせていただきます。

長時間に渡り御清聴賜りまして、誠にありがとうございました。

より良いウェブサイトにするためにアンケートを行っています

このページの感想をお聞かせください(複数回答可)

このページに関するお問い合わせ

企画財政部 企画調整課 企画調整担当
〒197-8501 東京都福生市本町5
電話:042-551-1528