栄冠は君に輝く（平成24年8月1日号）

「広報ふっさ8月1日号」に掲載した市長随想「全力投球」です。

夏の高校野球の季節がやって来ました。私も公務の合間をぬって、久しぶりに母校の応援に行ってきました。高校球児たちのはつらつとした一挙手一投足を見ると、必ず頭の中でメロディが流れるのが、大会歌の「栄冠は君に輝く」です。

高校時代はこの曲を常に口ずさみ、何とか甲子園出場をと思っていましたが、願い叶わず。今は後輩に夢を託しています。ところである時、この曲が恋する人を念頭において作詞されたと聞き、大変驚いたことを覚えています。

この歌の作詞者は加賀大介さん。昭和23年に、5千篇を超える全国公募作品の中から選ばれました。しかし、応募時の作詞者は加賀道子さんとなっていました。実は大介さんが、婚約者の道子さんの名前で応募していたのです。その後お二人はめでたく結婚され、20年後に真相が明かされるまで、この歌は道子さんの作品として知られてきました。

この歌の「君」が高校球児だけでなく、恋する人でもあったとは、野球に没頭していた高校時代には知る由もありませんでした。
しかし、そのどちらもが若さの輝きです。若者たちが夢中になれるものを見つけ、輝ける日々を送れるよう、見守っていきたいと思います。