平成29年度施政方針

 

ページ番号1006233  更新日 平成29年4月1日 印刷 

平成29年第1回福生市議会定例会における市長の平成29年度施政方針です。

はじめに

平成29年第1回市議会定例会に当たり、貴重なお時間をいただきまして、私の施政方針を申し述べさせていただきますことを心から感謝申し上げます。

昨年5月の市長選挙におきまして、市民の皆様方から御信任をいただき、3期目の市政運営に当たらせていただくこととなりました。

昨年の6月議会で所信を述べる機会をいただき、これまでに築いてきた、まちづくりの流れを継続し、「7つのまちづくりの目標」に向けた施策を進めていくことで、「このまちが好き、夢かなうまち福生」の実現に向けて、そして、市民満足度の向上に向けて全身全霊を傾け、福生市のために働かせていただくことをお誓い申し上げました。

早いもので、それから9か月が経過いたしましたが、この間、議員並びに市民の皆様から多大なる御指導、御協力を賜りましたことに改めて、厚く御礼申し上げます。

一年を振り返って

世界の情勢について

世界情勢をみますと、まずは、アメリカ大統領選挙が昨年の11月に行われ、大方の予想を覆し、共和党のドナルド・トランプ氏が第45代の大統領に就任いたしました。トランプ大統領は、大統領就任式直後に多くの大統領令を発令し、中でも、TPP(環太平洋経済連携協定)からの離脱は、世界最大規模の通商協定の実現を難しいものとしております。

また、以前には、在日米軍駐留経費の全額負担や負担がない場合は日本からの米軍撤退など、日本に大きな影響を与えかねない発言もありましたが、今月行われた日米首脳会談では、駐留経費には触れず、一転して日米同盟の強化を表明するとともに、経済関係強化のため、貿易・投資分野などを協議する経済対話の枠組みを新設することで合意しております。

大統領就任前と就任後の言動が変化しており、今後の先行きが見極められない状況でもありまですので、特に基地に対するトランプ大統領の発言や動向については、注視する必要があります。

また、英国は、6月に行われた国民投票でEU離脱を選びました。この離脱決定を受け、世界の株価や為替は大きく影響を受け、ヨーロッパ経済のみならず、世界経済の今後を見通せない状況でございます。

そのほか、相次ぐテロやシリア難民問題、北朝鮮の核実験など、世界平和、そして経済への不安がぬぐい去れない出来事が次々と起こり、世界的に出口の見えない、非常に混沌とした状況が今なお、続いております。

国内の情勢について

日本国内に目を向けますと、まず、国内経済は、輸出に持ち直しの兆しが見られ、雇用、所得情勢が堅調に推移し、それを受けて個人消費も持ち直しつつあるとして「ゆるやかな経済成長」がされた1年と言われておりますが、地域の経済状況をみますと、いまだ、その兆しを肌で実感できていないのが現状でございます。

そして、昨年も自然の猛威を思い知らされた年でもありました。東日本大震災から6年が経とうとしておりますが、4月には、熊本地震が起きてしまい、死者は150人を超え、住宅の被害は約17万8,000棟に上り、県内各地に大変大きな傷跡を残しました。

また、地震のほか、台風も猛威を振るい、四つの台風が 8 月中旬から下旬にかけて、相次いで日本に上陸し、各地に大きな被害をもたらしました。

自然災害のほかにも、12月には新潟県糸魚川市では、約30時間続いた火災が発生し、建物の焼損面積は33,000平方メートルを超え、国内の火災規模としては過去20年間で最大のものとなり、これも大きな被害をもたらしました。

幸いにも福生市には災害による大きな被害はありませんが、「備えあれば憂いなし」を改めて痛感した年でもあり、「安全安心に市民が暮らせるまちづくり」、「防災対策の強化」の重要性、必要性を強く認識させられました。

その一方、元気づけられる明るい話題もございました。

まずは、ブラジル、リオデジャネイロで開催されたオリンピック・パラリンピックでは、日本勢は、過去最多のメダルを獲得するなど、日本国中が熱狂した大会になりました。選手たちの活躍は、我々に大きな感動と喜びを届け、来る2020年東京オリンピック・パラリンピックへ繋ぐものとなり、3年半後が大いに楽しみでございます。

福生市について

また、4月 12 日は、福生市にとって記念すべき日となりました。初めての福生市への行幸啓が行われ、天皇・皇后両陛下が、玉川上水及び田村酒造場を御視察になられました。当日は多くの市民が沿道に詰めかけて両陛下をお迎えし、両陛下も歓迎の声に応えていただきました。今回の行幸啓で、福生を綺麗なまちと感じてくださったようで、そのことを大変嬉しく、誇らしく感じた次第でございます。

更に、10月14日には、長野市の長野オリンピックスタジアムで第25回全国消防操法大会が行われ、東京都代表として出場を果たした福生市消防団第三分団は、見事、優良賞を受賞しました。

そして、もう一つ、おかげさまをもちまして、日経デュアルと日本経済新聞社が実施した「共働き子育てしやすい街2016 総合ランキング」では、福生市は、昨年度と同様、総合2位と2年連続で高い評価をいただきました。調査項目も変わり、ランキングに大きな変動があるなか、昨年度と同様に高い評価をいただきましたことは、いままで進めてきた子育て施策の成果であり、大変うれしく思っております。

東京都について

昨年は東京都においても大きな動きがございました。昨年の7月31日には東京都も知事選挙が行われ、小池新都政がスタートしたわけでございます。

小池都知事は、東京大改革を公約に掲げておりますが、これまで東京オリンピック・パラリンピックの競技会場や大会経費、そして豊洲新市場の問題など、大きな問題に直面し、それに対する言動をマスコミも大きく取り上げ、都民の小池都政に対する関心、注目の高さが覗えます。

小池都知事は、このたび多摩地域の首長との意見交換の機会を設け、今月13日に、私も都庁に出向き、本市の現状や東京都に対する要望を訴えてまいりました。

意見交換では、市町村総合交付金の増額等の財政支援の要望のほか、横田基地をかかえる市の現状を確認していただきたく、福生市そして横田基地の視察についても要望いたしました。

今回の要望に対する対応を期待するとともに、今後も、小池都政の動きに注目し、新たな補助金等の創設など区市町村に対する支援等について、情報収集に努めてまいりたいと考えております。

これからの市政運営について

それでは、ここで、3期目の2年目に当たり、これからの市政運営の考えを申し述べさていただきます。

これまでは、特に人口減少への対応、定住化対策に力を注いでまいりました。

ご案内のとおり、福生市は、都内の他市よりも早く人口減少が始まったため、それに対応するための対策を講じ、人口減少を食い止めるための定住化施策を打ってきたわけでございます。特に「子育て世代」を定住化のターゲットと定め、「子育てするなら福生」をスローガンに、さまざまに子育て支援施策に力を注ぎ、推進してまいりました。

おかげさまで、昨年4月において、保育園、学童クラブ双方で待機児童を解消した市は、26市では福生市だけでございました。

また、昨年7月には、子ども応援館に地域子育て支援拠点となる「ふれあいひろば」を開設するなど、更なる子育て支援施策を進めるなか、先ほども申し上げましたが、「共働き子育てしやすい街2016 総合ランキング」で昨年度と同様、総合2位という評価をいただきましたことは、これまで進めてきた市の施策の評価でもあり、子育て世代の転入を誘因する大きな要素の一つとなると考えております。

そのほか、学校教育においてもタブレット学習を導入したほか、英語教育にも力を注ぎ、中学校全校への外国人指導助手の常駐配置、英検の公費負担など、子育て環境の更なる充実が図られるよう、多角的に施策に取り組みました。

  人口減少は、日本全体における社会現象であります。日本各地で人口が減少し、少子高齢化社会が着実に進んでいるわけでございます。そのなかで、福生市の人口をみますと、平成23年以降、人口の社会減に改善傾向が見られ、近年の人口増減をみても、人口の減少幅は改善されており、平成28年の各月の人口と平成27年の各月の人口と比較いたしますと、そのほとんどの月で、1年前よりも人口が増加している結果がでており、人口減少が改善傾向にあることがわかります。

3期目の市政運営といたしましても、「人口」はまちの活力を生む原動力でございますので、これからも手を緩めることなく、人口減少を食い止めるため、定住化施策はもとより、福生市総合計画に掲げる「7つのまちづくりの目標」に向けた施策を継続的に、更に推進していくこと、そして、それらの市の施策や福生という「まちの魅力」を積極的に、効果的に発信していくことにより、子育て世代をはじめとする多くの方々の定住を促し、この福生市に愛着をもっていただくように、これからも「活気のあるまちづくり」を進めてまいる所存でございます。

平成29年度の市政の重要事項について

続いて、平成29年度における「市政の重要事項」について申し上げます。

ハード面について

まず、施設整備等のハード面では、防災食育センターともくせい会館の建設工事が平成29年度中に完了いたします。

現在、これらの2つの施設は、竣工に向けて順調に工事が進められているところでございますが、円滑な施設利用ができるように、諸準備に万全を期してまいります。

そのほか、扶桑会館の移転に伴う市営福生駅西口駐車場の整備事業や都市計画道路3・4・7号富士見通り線の整備事業もございますので、それぞれ、計画的に、かつ、着実に事業を進めてまいります。

ソフト面について

続いてソフト面においては、平成29年度も、引き続き、中心市街地の活性化に資する福生駅西口まちづくり検討会の運営及び地元合意に基づく再開発準備組合の設立に向けての取組を支援してまいります。この取組は、今後の福生駅周辺の活性化に資する大きな動きでございますので、市といたしましても支援させていただき、今後の成果に大いに期待するところでございます。

子育て支援策について

そして、「子育て支援策」でございます。定住化施策の目玉でございますので、平成29年度も手を緩めず、他の自治体にも負けない子育て支援策を継続的に進め、「子育てするなら福生」を市内外に発信し、子育て世代の定住化を促していきたいと考えております。

教育施策について

合わせて、子育て環境の充実には、当然「教育施策」が重要でございます。私は総合教育会議の中で、資源の少ない日本においては、人こそが最大の財産であるという考えに基づいて、教育立国になぞらえて、「教育立市」という言葉を申し上げました。市の将来を築き上げるには、「人材」、特にこれからの次代を担う、「ふっさっ子」が財産でございます。ふっさっ子の持っている能力を最大限発揮できる環境をつくるため、教育委員会や学校そして市長部局が、ともに使命感と情熱を持って、子どもたちのために、力をつくす、これが、「教育立市」の実現に向けて必要なことだと思っております。

このことを念頭に平成29年度も、タブレット端末を小学校第3学年のすべての児童に貸与するとともに、英語教育の更なる推進をはじめとして教育施策に厚く予算を計上しております。教育委員会とともに、「ふっさっ子」の成長を支える環境整備・充実に努めてまいります。詳しくは、このあと教育長から申し上げますので、よろしくお願いいたします。

横田基地について

次に、横田基地についてでございます。

行政面積の約3分の1を横田基地に提供している本市にとって、その存在は、航空機の騒音公害をはじめ、都市計画への影響や地域経済の発展阻害要因となるなど、市民生活に大きな影響を与えております。

このため、私は、騒音防止対策や安全対策の推進、航空機事故の防止など、横田基地の整理・縮小・返還を含めた必要な措置を講ずるよう、さまざまな機会を通じて、国や米軍に対して要請を行うとともに、東京都や基地周辺5市1町でも十分に連携して、この問題の解決に向けて取り組んでいるところでございます。

また、常々申し上げていることでございますが、基地の存在に起因するさまざまな問題につきましては、基地周辺の住民だけが犠牲になるということではなく、国民全体の問題としてとらえ、国が責任を持ってその対策に万全を期すべきであると考えております。

現在、横田基地には、米国政府が平成29年から平成33年にかけて、合計10機のCV-22オスプレイを配備する計画がございますが、そのうち最初の3機を本年後半に配備する予定となっております。(※後日、防衛省北関東防衛局から「米国が最初の3機の配備を平成32年に延期すると発表した」との情報提供がありました。)

私は、オスプレイの配備計画が発表された直後から、何度も国や米軍に対して、オスプレイの配備計画や安全性などについての迅速で正確な情報提供を求めるとともに、東京都や横田基地周辺5市1町でも十分に連携をして、この問題に取り組んでおりますが、市民の懸念や不安を払しょくできるような十分な説明は得られていない状況でございます。

東京都や5市1町での連携のほかにも、昨年6月には、国内で初めてMV-22オスプレイが陸揚げされた岩国基地を抱える山口県岩国市を訪問いたしまして、オスプレイをはじめとした基地問題について、福田岩国市長と意見交換をさせていただきました。

更に、昨年10月には、普天間基地を抱える沖縄県宜野湾市を訪問し、佐喜眞宜野湾市長と意見交換をさせていただくなど、さまざまな形で基地問題に対する取組みを行っているところでございます。

そのような中、昨年12月13日に、普天間基地所属のMV-22オスプレイ1機が、空中給油機からの空中給油訓練中、プロペラが給油ホースを切断したことによりプロペラの羽根が損傷して飛行が不安定となり、沖縄県名護市沖合で不時着水する事故が発生いたしましたことは、大変遺憾でございました。

私は、事故が発生した直後の12月14日に、防衛省本省に出向いて地方協力局次長と面会し、原因究明や再発防止策について米軍に申し入れるとともに、迅速で正確な情報提供を強く要請をいたしましたが、更に、その2日後の12月16日にも再び防衛省本省に出向いて防衛大臣と面会し、改めて、迅速で正確な情報提供を申し入れたところでございます。

また、東京都と基地周辺5市1町でも連携して、国の関係機関に対して、同内容の要請を行っております。

その後、米軍は、オスプレイの運用を再開いたしましたが、国においては、不時着水事故と空中給油の再開に関して、先月5日に防衛大臣のコメントを発表し、「米側による事故の原因となり得る人的及び環境要因を網羅する再発防止策を確認した」ことや、「沖縄をはじめ地元の皆様に事故の原因と安全対策について丁寧に説明し理解を求めてまいる」などの内容とともに、「我が国を取り巻く安全保障環境の厳しさや、いつ発生するかもしれない大規模自然災害を考慮すれば、米軍のオスプレイが空中給油を実施する能力を維持することは、我が国の防衛や緊急時の対応の観点から重要である」との見解を示しております。

また、今月12日には、北朝鮮から弾道ミサイルが突然発射されましたが、これに対する国の迅速な対応などを鑑みますと、我が国及びアジア・太平洋地域の平和と安定のため、国防政策や安全保障の重要性は理解をいたすところでございます。

しかしながら、市民の安全・安心の確保につきましては、私にとって最優先事項でございます。

先ほども申し上げましたが、今月13日に、小池東京都知事の意見交換の機会がございましたことから、直接、オスプレイ配備計画の実情をお伝えし、併せて、ぜひとも福生市を訪問され、基地を抱える自治体の苦労をご理解いただくとともに、更なる連携についても強く要望をいたしたところでございます。

私といたしましては、今後も引き続き、国や米軍に対して、オスプレイの配備計画や安全性などについて、迅速で正確な情報提供を強く要請していくとともに、東京都や基地周辺5市1町でも十分に連携を図り、基地問題の解決に全力で取り組んでまいる所存でございます。

平成29年度の予算編成について

それでは、これらの重要事項を踏まえまして、平成29年度の予算編成に対する考えと予算規模について申し上げます。

平成29年度の予算編成に当たりましては、これまでと同様に、基本計画に基づいた財源の重点的、効果的な配分、長期的視点に立った予算編成、財政運営の健全化など、基本的な方針として編成いたしました。

また、定住化施策を推進していくため、限りある財源を効果的に配分していく必要がございます。そのため歳出予算の査定におきましては、平成28年度予算と同様に財政課による一件査定を継続し、歳入におきましては国や東京都の補助金、交付金、そして財団法人などの助成金など、これまで以上に財源の獲得に努めました。

その結果、平成29年度の予算でございますが、防災食育センターの整備、それに伴う備品類の購入、もくせい会館の建設、富士見通りの整備などの大規模事業を継続実施することから、平成28年度に引き続き大規模なものとなっております。

一般会計の予算規模は248億1,000万円となり、前年度比で7,000万円、0.3%の減でございます。予算編成に当たりましては、財政調整基金の取り崩しや臨時財政対策債の借り入れを可能な限り圧縮する方針のもと、作業を進めてまいりましたが、市税が大きく伸びない中、平成28年度に引き続き、財源不足の状況は変わっておりません。

このため、臨時財政対策債の借り入れを4億円、また、これまで積み増しをしております財政調整基金からの繰り入れを3億円とし、財源調整をいたしました。

ただいま、平成29年度の予算規模を申し上げましたが、今後、老朽化した施設の更新等が控えており、多くの財源が必要となってまいります。このような中で、市の課題である定住化対策を「総合戦略」をもとに推進するとともに、市民サービス向上に向けての施策を行うに当たり、歳入の確保、更なる経費節減に努め、健全な財政運営を続けていく所存でございます。

7つのまちづくりの目標に基づく施策について

平成29年度は、第4期総合計画修正後期基本計画の3年目となりますが、ここで、その計画に基づいたさまざまな取組につきまして、7つのまちづくりの目標に沿って主なものを述べさせていただきます。

1.希望に満ちた明るいひとづくり

まず、第1の目標「希望に満ちた明るいひとづくり」でございますが、この分野では、主に学校教育や社会教育に関する施策が中心となりますが、平成28年度に引き続き、平成29年度においても、さまざまに施策を展開してまいります。

まずは、防災食育センター整備事業でございます。災害時の応急給食の実施や避難所の整備、食育の推進や中学校の完全給食の実施、また、アレルギー対応食や生野菜の提供など、多岐にわたる機能を兼ね備えた防災食育センターが、平成29年度に完成いたします。

昨年の2月から本体工事に着手してからいままで着実に整備工事を進めておりますが、平成29年9月、2学期からの学校給食開始に向けて、整備工事のほか、円滑な運用に必要な諸準備も、しっかりと進めてまいります。

また、2学期から中学校給食が新たに開始されることになりますが、保護者等への負担も考慮し、補助金や扶助費等の必要経費についても予算化しております。中学校給食開始の初年度ということもございますので、万難を排し、学校給食の円滑な運用に向けて全力で取り組んでまいります。

次に、小・中学校の校舎等の各施設や放送設備、防犯カメラ等の各種設備における更新についてでございます。現在、多くの学校において、これらの設備等について老朽化が進んでおりますので、しっかりと優先順位を決めて、改修工事や設備の更新等を行ってまいります。

また、校舎の長寿命化を検討する必要性があることから、小・中学校10校すべてに対し、長寿命化に関する調査を実施いたします。

このほか、福生第七小学校の「ことばの教室」整備工事や市民会館の長寿命化改修等調査委託などを実施いたします。

ソフト面においても、先ほども触れましたが、小学校全校の第3学年の児童全員に対して、学習ドリル教材ソフトウェアが入ったタブレット端末を活用した学習を開始するとともに、「福生市立学校ICT推進計画」に基づき、専門的な知識をもった学校ICT業務支援員を教育委員会に配置するなど、学校教育におけるICTの推進を図ってまいります。

また、学校行事見直しに伴う小学校第5学年宿泊学習の新規実施や中学校のスキー教室の拡充も行います。

なお、一年間休止し、見直しの検討を重ねてまいりました「青少年海外派遣事業」についてでございますが、教育委員会において、プログラムはもちろんのこと、費用面や安全面についても、多角的に検討した結果、「ふっさっ子グローバルヴィレッジ」として新たにスタートすることとなります。ふっさっ子が、グローバルな人材としての資質を育む絶好の機会となり、また同時に、異国情緒あふれるグローバルな福生市における、特色ある教育プログラムとして、今後大いに発展していくものと考えております。

2.だれにもやさしい安全なまちづくり

次に、第2の目標、「だれにもやさしい安全なまちづくり」では、まず、「特定緊急輸送道路沿道建築物」に対する各種助成金の助成率について、3分の1から6分の5に拡充し、市内の特定緊急輸送道路である国道16号線・新奥多摩街道・五日市街道について、地震発生時に沿道の建築物の倒壊による道路の閉塞を防ぎ、避難路及び輸送路を確保するため、耐震改修等に係る費用を助成することで、当該沿道建築物の耐震化を促進し、市民の安全安心をさらに高めてまいります。

また、道路の整備も引き続き実施いたします。「福生都市計画道路3・4・7号富士見通り線」については、福生駅東口交差点から産業道路交差点まで約350mを第一工区として整備するもので、平成29年度は引き続き用地買収等に取り組んでまいります。

旧・ヤマジュウ田村家住宅の近くにございます「市道第1169号線」についても改良工事の設計を進め、市民の皆様の安全と利便性の向上を図ってまいります。

そのほか、扶桑会館の移転に伴う市営福生駅西口駐車場の解体を含めた整備事業も進めてまいります。

3.潤いのある豊かなくらしづくり

続いて、第3の目標「潤いのある豊かなくらしづくり」では、まず、リサイクルセンターについてでございますが、老朽化に伴い、長期にわたる施設の安定的な稼働を図るため、各種設備に対する精密機能調査を実施いたします。

あわせて、不燃残渣を資源化するため、新たに専門業者に不燃廃棄物の処理を委託することにより、埋立ごみの削減と資源化の促進を図ってまいります。

また、市営住宅については、除却した木造市営住宅の跡地利用等の検討に要する基礎資料として、正確な跡地の土地測量を実施いたします。

そして、下水道事業会計の事業では「雨水管渠更生事業」がございます。横田基地から流れる雨水管の更生工事を、約15年にわたり実施するという大事業となり、平成29年度は、その全体計画調査を行います。

4.安心に満ちたまちづくり

続きまして、第4の目標「安心に満ちたまちづくり」では、まず、子どもに関する事業についてでございますが、「子育てするなら福生」のスローガンのもと、平成29年度も多くの事業を展開する予定でございます。「学童クラブ事業」、「保育所運営事業」、「病児保育事業」など、子どもの保育に関する環境を更に改善、整備するとともに、地域子育て支援拠点の「子育てひろば事業」を充実させ、ひとり親家庭に対する各種自立支援事業、子どもの学習支援委託など、家庭に対する支援を充実させる事業にも力を入れてまいります。

次に、高齢者に対する施策でございますが、介護保険制度の改正に伴いまして、平成29年度からは「介護予防・日常生活支援総合事業」が開始されるため、これに係る各種経費を予算化しております。

また、福祉センターの老朽化に伴い、空調、電気、給排水設備等の更新を行うため、平成29年度に実施設計、平成30年度以降に工事を行い、福祉センターの機能を復旧させ、福祉サービスの向上に努めてまいります。

今後は、更に少子高齢化が進展してまいります。これに対応するため、平成29年度は、高齢者を対象とした委託型の「地域包括支援センター」を強化する予算を計上するのと同時に、子育て世代に対する「子育て世代包括支援センター」の平成30年4月の設置に向けた検討も加速させてまいります。

5.活力とにぎわいのあるまちづくり

続きまして、第5の目標「活力とにぎわいのあるまちづくり」では、この分野の大きなものとしては、先ほども申し上げましたが、「中心市街地活性化推進支援事業」がございます。平成28年度に「福生駅西口地域まちづくり検討会」が発足し、福生駅西口地域をどのように活性化させるのか、どんなまちを創るのか、これまで検討を進めてまいりました。今後は、検討の進捗を踏まえて、福生駅西口地域の土地建物所有者を中心とした「市街地再開発準備組合」の設置に向けて支援をしてまいります。

また、これまでどおり、「七夕まつり」や「ベースサイドストリート観光事業」など、観光事業も事業の充実を図るとともに、更に、市の魅力の発信も充実させてまいります。シティーセールス推進課や秘書広報課が手がけたPR動画は、ともにこの1月から配信を始めましたが、自治体のPR動画としては予想を大幅に上回る再生回数を記録し、今もその回数を伸ばしております。これは、市の職員の意識が変わり、「我がまち」をいかに売り出していくかということを、本気で考え始めたということの表れではないかと嬉しく思っております。今後も、市の魅力を内外に発信することを意識した行政運営を展開してまいります。

6.ともに助け合うまちづくり

次に、第6の目標「ともに助け合うまちづくり」では、まず、輝き市民サポートセンターの運営についてございますが、福生市社会福祉協議会に委託することにより、新たな公益的活動支援策の展開や業務の効率化を図ってまいります。

また、鍋ヶ谷戸第一町会、牛浜第一町会、志茂第一町会及び本町町会が管理する各会館は、老朽化に伴い、修繕が必要なことから、「会館修繕費補助金」を交付させていただき、地域コミュニティの拠点となる会館の保全と町会の活動を支援してまいります。

7.市民と行政がともに進めるまちづくり

続いて、第7の目標「市民と行政がともに進めるまちづくり」では、まず、他の自治体に先駆けて導入し、その活用が期待されている「新公会計制度」については、現在、企画調整課、財政課、会計課を中心に、初めての新公会計制度の下での決算に向けて検討を進めております。平成29年度も専門業者による支援委託を延長し、円滑な運用を図ってまいります。

また、平成29年3月末に策定される「公共施設等総合管理計画」を受け、今後の公共施設のあり方を具体的に検討するための基礎資料として、市民アンケート調査を実施する予算も計上いたしました。

次に、マイナンバーカードを利用する「証明書等コンビニ交付事務」でございますが、全国のコンビニエンスストア等において、住民票・印鑑証明書等の証明書を取得することができるよう、市民サービスのインフラを整備してまいります。

また、情報セキュリティについても、情報漏えい等の事故が起こるようなことが無いよう、インターネット通信の監視など高度なセキュリティ対策を実施してまいります。

そして、もくせい会館の建設事業もこの分野に入ります。

昨年1月から解体工事が始まり、平成29年7月の供用開始に向けて、順調に建設工事を進めております。

もくせい会館は「地域活性化センター」という位置づけの施設となりますが、建物の名称は、なじみのある「もくせい会館」のままといたしまて、地域の経済振興に資する活動や七夕まつり実行委員会、町会・自治会などの団体の活動をサポートする施設として生まれ変わることとなります。

新たなもくせい会館が地域の活性化の拠点となり、まちを元気にしていただくための活動をサポートする施設として御活用いただけるよう、円滑な供用開始に向けて、諸準備に万全を期してまいります。

このように、各目標の分野ごとに事業を着実に実施してまいりますが、具体的な事業計画につきましては、予算説明書により明らかにしておりますので、御参照いただきたいと存じます。

結び

平成29年度は、さまざまな面で、福生市にとって大きな節目の年になると考えております。今後も、市政の運営に当たっては、まずは市民の暮らしを第一に考え、安全で安心な暮らしを守ることが大切であり、そのうえで、市民満足度が少しでも高められるよう、挑戦し続けてまいります。

昨年の施政方針を述べる中で、私は、黒人初の大リーガー選手だったジャッキー・ロビンソンの言葉を引用して、まちづくりの決意を 「不可能の反対は、可能ではない。挑戦だ!!」と申し上げました。ホンダの創始者である本田 宗一郎氏も「チャレンジして失敗を恐れるよりも、何もしないことを恐れろ。」という名言を残しております。「挑戦し続けること」が肝要であり、私をはじめ職員一人ひとりが、今まで以上にスピード感を持って、そして知恵を出して、「挑戦し続けること」により、まちづくりを進めてまいる所存でございます。

結びに、議員各位、そして、市民の皆様におかれましては、「チーム福生」の一員として変わらぬお力添えを賜りますよう、お願い申し上げるとともに、福生に住んでよかった、住み続けたいと思えるようなまちづくりに、全力で取り組むことをお誓い申し上げまして、平成29年度の施政方針とさせていただきます。

長時間にわたり、御清聴を賜りまして、誠にありがとうございました。

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