平成18年度施政方針

 

ページ番号1000633  更新日 平成28年8月9日 印刷 

平成18年第1回福生市議会定例会における市長の平成18年度施政方針です。

はじめに

平成18年第1回市議会定例会に当たり、貴重なお時間をいただきまして、私の施政方針を申し述べさせていただきますことを心から感謝申し上げます。
私が2期目の市政運営に携わることとなりましてから、早くも1年9か月余りが経過いたしました。その間、「今までの6年は1年で」との意識を持って、施策遂行のスピードを早め、進めてまいりましたが、その間の議員並びに市民の皆さんの多大なる御指導、御支援、御協力に、改めて厚くお礼申し上げます。

市政運営の指針

市政運営の際、私が一つの指針としておりますことは、将来の市民が、私たちが生きた時代をどのように評価するかということであります。生産年齢人口が大きく減少すると予測されている中で、現在を生きる私たちは、長期的視野に立った行動、将来の市民のことを考えた行動が求められております。自然環境の保全、社会構造の改革、自治体の行財政運営上でも、改善できるところは改善し、我慢できることは我慢し、負担しなければならないことは負担するという意識を市民の皆さんと共有し、市政運営を行ってまいりたいと考えております。

自治体を取り巻く環境

現在、大きな流れとして進んでおります「国から地方へ」「官から民へ」といわれる構造改革は、つまるところ、依存型社会から自立型社会への転換と言えます。
それは、自治体にあっては「自治」の確立であります。自立した行財政運営が求められ、国からの補助等を4兆円削減し、3兆円を自治体財源として税源移譲する、そして地方交付税の見直しを行うという三位一体の改革は、18年度で第一段階が終わります。
これを自治確立の好機と捉え、福生市は、構成する総ての主体が協力し合って創っていくという思いを、更に強くしていきたいと考えております。
そして、市民生活にあっては「自己選択、自己決定、自己責任」であります。公を含む誰かが、何かしてくれるということではなく、自らがやるということであります。
自らの主体的な動き出しがない限り人生は何も始らず、千里の道も先ず第一歩からであります。
更に、これらを明確にした上で大切な事は、社会的弱者への状況に応じた徹底的な支援であり、個としての人間同士の相互支援であります。
自助と互助と公助が噛み合い、努力したものが報われる社会、即ち、精神的にも経済的にも満足度の高いまちづくりを目指してまいりたいと思います。
このような視点から見ますと、各主体が自立し、対等の関係のもと、自助、互助があり、そして公助があるという「補完性の原理」の考え方は、社会の構成原理として、国、広域的、基礎的を含む地方自治体、市民、民間企業すべてのあり方、関係にも作用いたします。国と自治体との間にも互助は成立し、基礎自治体だけでは解決できない問題について、基礎自治体が共同して解決していく共助、広域連携の考え方も生れてまいります。
また、少子高齢社会あるいは男女共同参画社会などの社会環境の変化は、新たな公共サービスの需要を生み、また公共サービスを担うことができる多様な主体も成長するなかで、「公共」のあり方についても考え直すことが必要となっております。今日の社会環境の変化は、私的な問題を社会的な問題へと変容させ、以前は、介護や子育てなど個人や家庭の単位で完結していたものが、その中だけでは完結できなくなってきており、健康、住環境や景観といったことも同様に、「公共」の範囲が広がってきております。しかし、公共サービスの領域が拡大する一方、行政が担うことのできる範囲は、財政問題などから逆に狭まっており、そのズレとも言うべき領域「新しい公共空間」への対応が重要な課題として問われております。そこに「民間」「市民」との協働が求められることとなります。社会的弱者への十分な配慮など、公平性の担保等に行政が一定の関わりを持ちつつ、地域の多様な主体がそれぞれの立場で役割を担うことにより、豊かな「新しい公共空間」が形成されることとなります。
これが、地域にふさわしいさまざまなサービスを、適正な受益と負担のもと自立した自治体、自立した市民が自ら考え、決定し、地域の多様な主体と行政が協働しながら進める分権型システムへの転換ということでございます。
行財政での自立、市民自治の確立を目指し、施策を進めていくことは、その過程で、さまざまな情報を基に、理解の共有を図りながら、議論することが必要となってまいります。自立した市民がいなければ、行財政改革も、分権型システムへの転換も、為し得ません。
市民として、受け身の立場から、公共サービスを担う立場へ、自助、互助へ、受動から能動へとシフトすることでもあります。
お陰様で、福生市は、自立した市民、行動する市民が増えているとの認識を持っており、今後も、市民参加、協働によるまちづくりを進めてまいりたいと考えておりまして、大変ありがたく思っております。
近年、この市民参加、市民参加の機会拡大ということについて、地方自治体は、さまざまな施策を展開しております。しかし、そこでは市民参加の趣旨というものについての誤解もあるように思います。行政の都合による市民参加であってはならず、自分や自分たちが、良き地域社会の中で生活できるまちづくりへの主体的参加ということであります。それは、高負担、高福祉か、低負担での一定のサービスかの選択の問題でもあります。

情報の共有、理解の共有

さて、地方自治体のあり方や市民のあり方、市民参加、協働について申し上げてまいりましたが、前提となる「自立した主体としての対等の関係」の構築には、情報の共有が不可欠であります。市民から見て、行政運営の過程が不透明であったり、行政活動の成果が見えにくいことは、市民の行政への信頼感を損ねることとなりますので、説明責任に基づく情報の共有が、ますます重要になってまいります。
昨年、個人情報保護法が全面施行され、個人情報に関する市民の意識は格段に向上し、法の目的は達成されつつある面もありますが、一方では、さまざまな分野で、法の趣旨を見誤った混乱や過剰な対応が表面化しております。
昨年実施された国勢調査では、個人情報の流失への懸念から回収率が低下するという現象が現れ、また医療現場や地域社会で必要な情報が提供されないなど、過剰反応とも言える状況も発生しております。
個人情報は保護されなければなりません。しかし、個人情報にもまた軽重があるのも確かで、社会生活のなかである程度のお互いの情報を知っておく必要もあり、地域での支え合い、安全、安心な暮らしには欠かせないものであります。
福生市といたしましても、市政運営の正しい理解の共有を目指し、適切な情報の公開、共有を進めなければならないと考えております。
このところライブドア事件、耐震偽装、談合、青少年を含む犯罪、放火、交通事故など考えられないような事件、事故が 起こっています。
私たちの社会を支える「信頼」という考え方が、大きく揺らいでいます。
市民の安全、安心を守る事は、行政に課せられた責務でありますが、行政だけでは処理出来ず、市民の皆さんの自主的な行動が必要であり、行政と市民がまさに協働することによって、安全、安心のまちが創られていきます。
市内での連続放火事件や児童生徒の安全確保のために、町会等多くの市民の方々が、自主的にパトロールして下さっていること、PTAをはじめ地域の方々が、通学路の安全確認や防犯マップづくりに積極的に係わっていただいていること等を含め、さまざまな場面に参加していただいている市民の皆様に、深い敬意と感謝を申し上げたいと存じます。

横田基地について

次に、議会、市民の皆さんには、大変御心配をお掛けしております横田基地の問題でございますが、基本的には、基地は無いことが望ましい、しかし国策として存在する以上容認するしかないが、存在による迷惑については、国、全国民によって十分な配慮をしていただきたいというスタンスは変わっておりません。
今回の関東空軍施設整理統合計画以来の大きな変化である基地の態様の変化は、基本的に国防政策として、国が責任をもって国民に説明していく必要がありますが、国防の重要性、世界平和の視点と同時に、基地周辺住民、福生市民の生活を守ることも論じられなければなりません。
自分たちの街がどのように影響を受けるのか、自分たちの生活にどのような変化が生ずるのか、市の行財政への影響がどのようになるのかといった課題について、十分な情報のもと、議論が必要であると考えております。在日米軍再編に関する中間報告前後の強い情報提供の要請に対しましても、国からは、十分な情報提供、説明がない状況がございましたので、広報ふっさ2月1日号や市ホームページに、その時点で市が把握している情報を掲載させていただきました。その後、国からの現時点での回答がありましたので、2月15日付け広報等でお知らせし、今後、市民からの御意見等を参考に、議会での御意見をいただきながら対応してまいります。

行政改革について

次に、行政改革への取組みでございます。
平成18年度からは第4次行政改革大綱に基づき、新たな目標をもって推進してまいりますが、ここで、平成13年度から17年度までの5年間を目標期間とする第3次行政改革大綱の進捗状況について、若干申し上げさせていただきます。
本大綱は、行政を取り巻くさまざまな課題を克服し、真に市民のためのまちづくりを進めていくために、これまで以上に自己決定と自己責任を持ち合わせた、自立的な行財政運営が求められているとし、市としての独自性を発揮しながら、市民から高い評価を受け、他の自治体に誇れるまちづくりを進めていくこととしております。このため、職員の意識改革、市民参加と情報提供を基本方針として、事務事業、組織や人事制度の見直し、財政の健全化や広域行政の推進に取り組んでまいりました。
事務事業の見直しでは、事務事業評価制度の導入による、計画、実施、評価、再実施、即ちPDCAサイクルの確立を図り、組織、人事制度の見直しでは、社会環境の変化や市民ニーズに的確に対応するための組織の随時の見直し、職員目標管理制度の導入やプロジェクトチームの活用、横断的政策課題に対する部長本部長制度の導入などを行い、職員の意識改革に繋がる施策を推進してまいりました。また、財政の健全化では、自主財源の確保、予算枠配分方式の導入などを行い、職員数の適正化、削減につきましては、平成17年度当初で27名、約6.4パーセントの削減が図られ、3パーセント以上との目標を達成しているところでございます。
今後も、本年度策定いたします第4次行政改革大綱において、分権型社会での自立した自治体として、より一層改革すべき課題、また取り組まなければならない課題を明確にし、市民の理解を得られる具体的な目標の設定、施策の推進を図ってまいる所存でございます。
行政のみならず、さまざまな主体が提供主体となる「新しい公共」の形成過程では、行政改革が一層の重要性を持つと考えております。そのため、行政改革の目的、具体的な行動計画やその進捗状況、効果を随時公表し、理解を共有して進めてまいりたいと考えています。

財政運営について

次に、財政運営についてでございます。
三位一体改革の内容については、地方側からの評価はさまざまではありますが、地方分権の核となる財源問題に、一定の方向性が出されたことは評価すべきものと思っております。今後は、地方交付税制度等について、そのあり方も含め検討がなされることとなりますが、地方と国の十分な議論のうえで決定されなければならないと考えております。
この三位一体改革の福生市への影響でございますが、16年度から実施された国庫補助負担金の一般財源化と当面の措置である所得譲与税との比較から、それほどの財政的影響はございません。しかしながら、今後、本格的に税源移譲がなされ、また地方交付税の削減等が行われますと、相当の影響がでると考えており、行財政の効率化は、待ったなしの課題と考えております。

平成18年度予算の編成は、このような状況を十分考慮したうえで、基本的な考えとして、近年の市税や地方交付税の大幅な減収、大規模改築事業や行政需要の増加など極めて厳しい財政状況との認識のもと、歳入確保に向けた実効性のある工夫と取組み、歳出抑制に向けた一層の事務事業の見直しを図ることといたしております。また、予算編成方針として、長期的視点に立ち、財政調整基金、都市施設整備基金の取崩しをせず、臨時財政対策債借入額を可能な限り圧縮いたしました。
後ほど提案申し上げますので、よろしくお願いいたします。

重点課題への取組み

さて、実施計画の策定や予算の編成の際に考慮しなければならない優先的に取り組む重点課題につきましては、私からも各部長に指示し、全職員の共通認識のもと、具体的な施策としての取り組みを図ることとしております。
18年度の重点課題といたしまして、まず情報の共有化がございます。施策の立案の時点から情報を共有し、議論を深め、理解を共有することにより、市民の求める施策の方向性が得られると考えております。また、職員にあっては、市民の考えや意識等の情報を収集することも重要であり、米軍再編問題などでは、国等からの情報を速やかに収集、把握し、市民へ提供することが大変重要であると考えております。
そのためには、職員の資質向上が求められ、市民の価値観の多様化や行政のあり方を含めた社会状況の変化に対応できる能力を、職員一人ひとりが問題意識を持って高めていくことが必要になります。
また、財政基盤の確立として、徴収率の向上、新たな産業構造の創造や住構造の改善などによる自主財源の確保など、さまざまな工夫が必要になります。
その他、協働のまちづくり、子育て支援、健康増進計画とその実施や安全安心まちづくりなどの重点課題があり、またハード面では、庁舎や福生病院の建替えなどの大規模事業もございます。これらの重点課題に対して、効率的、効果的な取り組みを行ってまいりたいと考えております。

18年度の主要な事業

続きまして、各分野における考え方と18年度の主要な事業について申し上げます。

教育・文化の分野

はじめに、教育、文化の分野でございますが、引き続き教育委員会の主体的活動への支援を行うとともに、子どもたちが、学校などでの集団生活を楽しく、安心して過ごせるよう地域との連携による安全安心対策に取り組んでまいります。また、すべての市民が、生涯にわたって学びの喜びを得られるよう学習環境の整備を図り、自立した市民形成の支援に取り組んでまいります。
新年度には、軽度な発達障害がある児童への特別支援教育の充実を図るため、現在福生第六小学校に設置されております通級指導学級を、福生第五小学校にも設置いたし、また、児童・生徒が安全に楽しく学校生活を過ごせるよう校内安全の確保を目的として、全小中学校に防犯カメラを設置いたします。加美平野球場防球ネット改良工事、中央体育館耐震補強等事業などにも取り組むこととしております。

福祉、保健、医療の分野

次に、福祉、保健、医療の分野では、まず、この分野での重点課題としております健康増進策についてでございますが、市民一人ひとりが健康を維持、増進し、豊かな生活を送るために、健康増進策、介護予防施策へと重点を移し、一層の予防的施策を推進してまいります。具体的には、17年度策定の「健康ふっさ21計画」に基づき、市民の意識高揚のための啓発活動とともに、地域と連携したさまざまな事業に取り組み、健康ふっさづくりを目指してまいります。
公設保育園につきましては、多様な保育ニーズへの適切な対応、保育の質的向上を目的に、民間へ移管してまいります。なお、民間移管に際しては、保護者の不安を招かないよう十分な説明を行い、理解を得ることが重要と考えております。
乳幼児、児童の時期は、生活や遊びの中で、具体的な体験を通して、基本的生活習慣を学び、人間形成の基礎が培われる重要な時期でございます。その重要な時期への適切な支援として、子ども家庭支援センターの相談体制の充実を図り、虐待への対応や家庭、地域の子育て力の向上を図ってまいります。
新年度におきましては、介護保険特別会計での地域支援事業として、介護予防が必要な特定高齢者に対し、筋力トレーニング事業、口腔機能向上事業や低栄養予防事業を実施し、地域包括支援センターの設置も行ってまいります。また、羽村市との共同で開設いたします精神障害者地域生活支援センター等の障害者自立支援の拡充、子育て支援策として、乳幼児医療費助成事業における2歳未満児童の保護者の所得制限の撤廃、乳幼児ショートステイ事業の実施など、児童養育環境の充実を図ります。
福生病院の建替え事業につきましては、18年度に、現駐車場部分での外来と病棟建設工事に着手し、20年度一部オープンに向けて進めていくこととなっております。

都市基盤整備の分野

次に、都市基盤整備の分野でございますが、多くの市民の方に御参加いただいた都市景観市民会議で示された市民プランに基づき、現在、都市景観基本計画の策定に向け、時期折々での市民の方々の意見等をお聞きするなかで、順調に進行しております。
都市景観は、市の顔であり、他市から認められ尊敬される風格のあるまちへの大変重要な要素と考えております。福生市には、多摩川、玉川上水の緑豊かな自然景観や酒蔵などを中心とした落ち着いた佇まいなど、景観としての資源も多くございます。しかし、景観としての統一性や資源として活かしていく方法など、市民と十分に議論しなければならないこともございます。また、タバコの投げ捨て、路上駐車・駐輪、捨て看板等、景観を損なうマイナス要因もございます。
多くのプラス要因を守り育て、マイナス要因を少なくしていく行動を、協働して進めていくことが求められており、都市景観基本計画は、その道標となるものでございます。18年度には関係条例を制定し、美しい都市景観を市民とともに守り、育ててまいりたいと考えております。
さて、都市景観を構成する重要な要素として、私たちの日々の生活があり、住みやすさ、暮らしやすさを実感する場としての住宅があります。福生市にとりましては、防災、環境等の課題を含めて住構造の改革が急務となっております。老朽化等住宅の質や持ち家比率の低さなど、福生市特有の住構造の影響は、福祉や歳入の面など、多方面にわたり、都市基盤整備の重点課題であると認識しております。
新年度には、質の向上による定住化対策、耐震対策など、総合的な住構造改革を目的とする住宅マスタープランの策定に取り組んでまいります。また、新耐震基準以前の木造住宅の耐震化を図るため、実態調査に基づく「既存建築物耐震改修等促進計画」を策定いたし、耐震化推進のための施策のあり方について検討を進めてまいります。
主な新規事業といたしましては、児童・生徒の通学路の安全確保、安全性の高い道路整備として、福生第二小学校正門側の市道第181号線歩道設置事業、福生第一中学校西側の青梅線側道を拡幅改修する市道第30号線歩道設置事業などを予定しております。また、八高線東福生駅自由通路上屋設置工事の着工などとともに、拝島駅自由通路整備事業につきましては、昭島市と協力しながら引き続き取り組んでまいります。

生活基盤整備の分野

次に、生活基盤整備の分野でございます。
福生市は、今まで大きな災害に見舞われた経験はございませんが、自然災害は必ず来るという意識を持ち、常に対策を考えていくことが必要でございます。市民生活を守るため、市民一人ひとりの意識啓発、対策を支援するとともに、総体的な防災施策を進めてまいります。
さて、地球環境は悪化の一途といっても過言ではない状況のなか、私たちは日々の生活行動が、一つひとつ重なり、地球規模での環境に影響を与えることを考えなくてはなりません。身の廻りの自然への小さな気配り、その積み重ねが、環境を再生し、未来の人々へと受け継がれることを日々意識して、市民の皆さんとともに環境施策を進めてまいります。
新年度では、福生市国民保護計画の策定、防災マップ、洪水ハザードマップの作成配布などを実施いたし、飼い主のいない猫との共生事業などにも取り組んでまいります。また、循環型社会への一歩としての容器包装プラスチックの資源化や地球温暖化対策の具体化としての地域新エネルギー詳細ビジョンに基づく、地域エネルギー事業の可能性について検討してまいります。

産業振興の分野

次に、産業の振興の分野でございますが、福生市商工会への支援、協働により振興を図ってまいるとともに、新産業の創出ということも考えなければなりません。
経済産業省は、平成16年に「新産業創造戦略」をまとめ、強い製造業の復活と、雇用を生み出すさまざまなサービス業の創出による産業構造転換を図ることが不可欠であるとし、その方策として、西多摩地区を含んだ首都圏西部地区を地域産業活性化プロジェクトに指定し、社団法人TAMA産業活性化協会を設立いたしたところでございます。この目的とするところは、産・官・学・地域等の組み合わせによる新たな産業の創出、需要の創出によって、地域経済の再生を図ろうとするものでございます。
福生市といたしましても、ハイテク企業や環境・エネルギー分野での新規事業、健康サービス等さまざまなサービス業などを、市の商工業の新たな分野として創出することが必要と考えており、庁内職員による勉強会を立ち上げまして、情報収集、検討を進めております。そのため、情報収集あるいは新産業創出のヒントを得られればとの思いから、TAMA産業活性化協会に入会することといたしました。また、このTAMA産業活性化協会に入会している西多摩地域の自治体、商工会とも連携を図り、新たな産業構造を求め、研究や情報収集を行うため、仮称ではございますが、青梅線沿線地域産業クラスター推進協議会も結成してまいります。

構想の推進の分野

次に、構想推進の分野でございます。
行政運営は、将来を見据えた計画的な遂行が重要でございます。また、同時にその計画の総体的な進行、個単位の事務事業の進行についても、十分な管理が必要となります。新年度では、基本構想及び基本計画に掲げられた目標を計画的に実現させるため、事務事業が計画どおり進行するよう管理することを目的に、福生市総合計画進行管理要綱を制定し、行財政の総合的、効果的な執行を図ってまいります。従来からの取り組みである前年度での実施計画策定、実施後の事務事業評価の間に、当該年度の事務事業の進行状況を点検する進行管理が入ることにより、PDCAサイクルが完成し、総合的な政策、施策の評価、見直しが可能となると考えております。このサイクルに、職員目標管理や予算枠配分、また事務報告書作成などを連携させることにより、行政全体の流れ、その評価を行うことができ、行政評価というものに繋がっていくこととなります。また、新年度からは人事考課制度を導入し、職員の能力等の発掘、効果的な配置を目指すとともに、給与制度の改善等に取り組んでまいります。
庁舎建設につきましては、議会、市民の御理解と御協力によりまして、いよいよ工事施工となります。工事期間中、市民の皆さんには、いろいろと御迷惑をお掛けすることとなりますが、御理解を賜りたいと思います。
新年度の主な事業としては、NPO等市民活動団体の育成や事業支援のための市民活動促進補助金制度の新設や「輝き市民サポートセンター」の活動充実に努めてまいります。また、自治基本条例につきましては、全市民のものとするためには、どのような過程で、どのように創り上げていくことが良いのか等について、職員での研究を進めてまいります。

なお、各分野ごとの具体的な事業につきましては、実施計画により明らかにしておりますので、御参照をいただきたいと存じます。

結び

結びに、まちづくりは、「人育て」であり、その人々による「まち育て」であります。自立した市民は、日常生活でのさまざまな問題を、より良く解決しようとする話し合いのなかで、議論し、学習することによって形成されるものであり、福生市の光も影も含めたすべての情報を共有し、ともに議論していかなければなりません。その過程では、市民と行政との役割分担や市民間の公平性の課題など、厳しい議論となることも考えられます。しかし、議論を経て、自分の意思が反映され、参画しているという思いを持つことができた市民は、自分が住むまちを自分のまちとして意識し、そこに福生市民が生まれます。そして、福生市というまちに誇りを持ち、まちでの暮らしを楽しむ市民がいる自立したまち「輝く街 福生」が創られてまいります。
私といたしましては、市民から負託された大きな責任を自覚し、職員と共に、全力をあげて「輝く街 福生」の構築に取り組んでまいる所存でございます。
議員各位、市民の皆様の一層の御指導、御協力をお願い申し上げまして、平成18年度の施政方針とさせていただきます。

長時間にわたり、御清聴を賜りまして、誠にありがとうございました。

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