行幸啓（平成28年11月1日号）

「広報ふっさ11月1日号」に掲載した市長随想「全力投球」です。

 今、天皇陛下の生前退位のことが有識者会議やメディア等で議論されています。ご高齢の中、過密な予定をこなしていらっしゃる日々を心からご心配申し上げるとともに、本当に頭が下がる思いです。
もう半年ほど前になりますが、わが市にも「行幸啓」で天皇皇后両陛下にお出ましいただきました。天皇陛下お一人の外出を「行幸」、皇后陛下や皇太子殿下等の外出を「行啓」、両陛下ご一緒の外出を「行幸啓」と言うそうです。
当日の4月12日は快晴。桜の花びらが舞う中、両陛下は田村酒造場にお着きになりました。田村当主、末次議長と一緒にご挨拶をさせていただいた後、市の成り立ちや玉川上水の歴史等を説明させていただいたところ、皇后陛下は特に市内製糸業の変遷にご興味を示され、何度かご質問もいただきました。ご養蚕にも携わっておられ、蚕や生糸の分野に大変造詣が深いとのことでしたので、もっと勉強しておけばよかったと後悔しました。
視察後には、御休所にお招き入れいただき、さまざまなお話をさせていただきました。その一言一言にお二人の優しさを感じ、また、あらゆる分野に精通されていることに感銘を受けました。
今回の行幸啓で、福生を綺麗なまちと感じてくださったようで、そのことを大変嬉しく、誇らしく思っています。その誇りを胸に、福生の魅力をより多くの方々に知っていただく為に、これからも努力していきます。